後田 風吹(ウシロダ フブキ)選手からのメッセージ
2017年2月に現場作業中の事故に遭い左足を解放骨折しました。
術後当初はただの骨折だと思っていました。
数ヶ月入院しリハビリを行えば今まで通りの生活に戻れ、初めてする予定だったスノーボードも来年にはまた挑戦できるだろうと。
しかし術後2週間経っても発熱が治らず黒くなる足先を観て医師から、
「このままでは命に危険が及ぶので左足を切断しましょう。」と言う言葉を告げられました。
言葉を失い泣く事しかできませんでした。
医師との話し合いで出来る限り足を残せるようにと、7度の手術を繰り返し周りのサポートもありようやく壊死の危険から免れる状態で落ち着く事が出来ました。
事故後一度も見てこなかった足を初めて見た時は正直絶望感に覆われました。
触れられるだけで痛むこの足でこの先いったい何が出来るんだろうと。
疑問と不安と人からどう思われるんだろうという恐怖でいっぱいでしたが少しでも疑問を解消したいと思いInstagramで障害について調べていると、そこには義足で走ったり、トレーニングしたり、もう出来ないと思っていたスノーボードをされてる方が目に飛び込んできました。
その時本当に絶望感しかなかった頭に『希望』という言葉が見えて救われた気持ちでした。
すぐに医者に義足を付けられる状態にして欲しいと気持ちを伝え、その年の8月に左足を完全に切断しました。
今まで当たり前にできていた事の凄さや当たり前になってしまっている全ての環境は、どれひとつとして当たり前じゃないという事に改めて気付かされ、歩く、掴む、見る、話す、聴く、など五体の事も含め衣食や親、友人などの自分の事を大切に思ってくれている人の存在など、今まで考えたようで考えてなかったたくさんの事を考え、学ぶ機会となりました。
退院後も、あの時見た義足でスポーツを行う姿が頭から離れず自身も何か挑戦できる事はないかと探している時にPSBX(パラスノーボード)に出会いました。
義足となってから始めたスノーボードでパラリンピックの金メダルを取るという目標を叶える事で夢や希望、勇気を沢山の方に与えることが出来るのではないかと思っています。
またそれと同じくらいにファッションによっても人に与えられるものがあると思っています。
話が大きく変わってしまうのですが、記すべき大切な事だと思ったのでお伝えします。
リハビリ生活中、院内に居る時は医療関係者や入院患者しかおらず義足である事の抵抗感などは感じていなかったのですが、病院の外に一歩出れば人と違う事を恐れ、義足を見られるのが怖く隠して生活していました。
スノーボードを始めて目標ができた頃にふと思った事がありました…障害を持った人はスポーツ以外では輝けないのかな?と。
スポーツを通して沢山の人に夢や希望、勇気や感動を勿論届けたかったのですが、それだけでは届けられない同じような立場にいる方々がいるのでは?と思い、スノーボードの練習風景と、義足を曝け出したファッションの投稿をInstagramで始めました。
最初の頃は私自身、人前で義足を見せる事に凄く勇気がいりましたが、自分がこんな事では周りに勇気を与えることなどできないと思い、人気の少ない所から始め、自己肯定感を高めていきました。
当初は同じ境遇や障害を持った方の力になればと思い投稿していましたが、今では健常者の方にも「勇気が貰えた」「自分ももっと頑張ろうと思った」などの、声も頂けるようになり、日本だけではなく海外の障害を持った方と繋がれたり、自身のInstagramを見て「同じように障害について発信してみようと思いました。」と言ってくれる方とも出会え、私にとってはスポーツと同じくらいファッションというコンテンツを大切にしたいと思っています。
Instagramにはファッションの投稿も多く、練習をしていないと思われるかと思い、長々となりましたがお伝えさせていただきました。
今現在は強化指定選手ですが、その先の日本代表選手、国際大会での活躍、パラリンピック出場、金メダルを取る事を本気で目指しています。
正直に言ってお金のかかるスポーツで、冬にしっかり滑り込む練習をする為に夏はその資金をためることに力を注いでいるためオフシーズンのトレーニングが充分とは言えない状況です。
目標を応援してくださるスポンサー様、どうかお力を貸していただけませんでしょうか。
よろしくお願い致します。