伊藤 心(イトウ イノチ)選手からのメッセージ
私、伊藤 心(いとう いのち)は現在パリ五輪での金メダル獲得を目指して競技活動に取り組んでおります。
フェンシングにはフルーレ・エペ・サーブルの3種目がありまして、私が取り組んでおりますエペという種目は、「頭の先から足元の爪先まで全身がターゲットである」ことと「相手よりも先に突いた方が勝つ」という非常にシンプルなルールから、「個人個人が自分の強みを生かした様々な戦い方が出来る」のが特徴となっております。
このような種目特性上、勢いやスピードを武器にしている20代の選手や、長年の経験を生かした戦略や洗練された技術を武器にしている30代の選手など、世界のトップで活躍している選手は年齢層が幅広く、競技寿命がフェンシングの中で最も長いと言えます。
私自身は現在32歳で、パリ五輪の時には34歳となります。直近の例と比較すると、37歳のウクライナ人の選手が東京五輪で銅メダルを獲得し、1年間のシーズン中においても多くのメダルを獲得し年間世界ランキングで1位を獲得するという偉業を成し遂げました。この選手は10年以上ウクライナで代表として活動しており、20代の頃にもW杯でメダルを獲得したことはありましたが、その後大きな成績を中々出せず、9年かかって30代半ばに勢いを取り戻し、世界のトップ選手となりました。
この選手を例に見ても、私自身は年齢がハンディキャップになるとは考えておらず、むしろまだまだ伸び代があると考えております。
そして、先日行なわれたW杯ジョージア大会で私自身が銅メダルを獲得できたことからも、パリ五輪において金メダルを獲得するチャンスは十分にあると確信しております。